私たちはこの地に生を受けた知的障害のある人たちにとって、ここを理想郷にするという希望が
あります。古代の東山道が通う、東西をアルプス山系に挟まれた山紫水明の伊那谷。南北を
天竜川がたおやかに貫流します。理想郷とは障害をあるがままに受け入れ、そのことを「不幸な人生」
の理由とはしない仕組みがあることです。様々なハンディを抱えつつも、地域に支えられ、仕事を
通じて社会の一員として生き、人生を楽しみ、多くの仲間とともに生き生きと人生を全うする場所。
不自由かも知れないが不幸ではない。それがアンサンブルの目指す未来です。私たちが実現したい
ことは、知的障害のある人達の仕事を通した社会参加と自立です。それは同時に「親亡き後」という
テーマを終焉させることを意味します。アンサンブルでは、自立のための原資を稼ぎ出す働く仕事を
作り、また仕事が終わってから暮らす自立の拠点であるグループホームを整備し、昼夜にわたる
トータルな支援を行っています。
アンサンブルでは旧来の福祉施設と異なり、「生き方の選択」が可能です。伊那市・駒ヶ根市・松川町の3自治体に拠点を整備し、現在までグループホーム19棟を完備しています(駒ヶ根に2棟目を建設中)。利用者約200名・職員130名。利用面積東京ドーム2個分。建物数47棟。これらの体制を背景に、利用者が望めば、また親が望めば、仕事と生活の場を選択することが可能です。新しい仕事と新しいメンバーとの出会いが可能となり人生が動き出します。こうしてこそ同じ伊那谷に生きる同世代の障害のない人たちとそれ程遜色のない人生が可能となるのです。一つの施設に入ったら何十年も、あるいは一生同じメンバーで生きて行くしかないこれまでの障害者支援の実情!「ほかには選択しようがない=生き方の固定化」もまた沈黙の強制なのです。環境の変化のもたらすワクワクやドキドキがあって初めてノーマライゼーションの実現と私たちは考えます。
詳しく見る仲間とともに汗を流し働くこと。自分に合う仕事に出会い、毎日が楽しく充実していること。ここで潜在していた能力が発現し、売れる商品を作ることが自信になり、そして給料の原資となる。力を尽くして生きる場がここにある。
詳しく見る2001年11月社会福祉法人アンサンブル会設立。以来一貫して知的障害を負って生きる人達とともに歩みを続けてきた。これはまた創立者自身の障害の子の親としての思いからである。従来の福祉の枠に捉われず、親として、わが子に何が必要か、どう生きれば幸せかを果敢に大胆に実践してきた。
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作る人達に障害があっても、出来上がった商品は純粋に商品としての価値が問われる。
市場で求められ、喜ばれ、役に立つ商品を作る事こそが利用者の生活を支えることに直結する。
またそういう質を持たない商品がどうして労働のやりがいや達成感につながるだろうか。