アンサンブル松川

自閉症者との共生の実践自然公園の中での回復の実践

重度自閉症の利用者が生田班には10名程います。最初のころは朝出勤して来て、
仲間のいる場所で落ち着いて過ごすことが目標でした。ここでは仕事に向かうことを
強制しません。自ら仕事に向かおうとするまで、ただ仲間の中で、自然の移ろいの中で
時を過ごします。いやなことや無理なことを強制されない。拘束も怒号もない。
この安心がいつしか職員への信頼になり、他の利用者が仲間となる。
毎日の積み重ねの中で、仕事に加わりたいという様子が感じられたその時
背中を押すのが職員の支援です。

アンサンブルが最初の一歩を踏み出した施設です。飯田養護学校の
卒業生を中心に利用者18名で平成14年「ワーキングスタジオ アン
サンブル」開設(のちに「アンサンブル松川第Ⅰ」)。福祉の世界
とは全く無縁だった施設長を中心に毎日が手探りの状態でした。
平成27年「アンサンブル松川第Ⅱ」開設。現在2施設合わせて76名の
利用者が毎日通っています。大勢の仲間がともに生きる場所は、人生
の舞台そのものです。
ここは目の前に国道が通る街の真ん中。6つの仕事班があり、
できるだけ自分に合った仕事や人間関係の中で働いています。みんな
仕事をするのは当たり前と思う生き方がここにあります。

アンサンブル松川の仕事

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    農業班

    約15,000㎡の畑で一年を通して40種類以上の野菜を作り、「野菜船」の名称で全国の会員の皆さんに野菜の詰め合わせセットを発送しています。農薬や化学肥料や除草剤は使わず、草は手で取っています。暑い夏も凍える冬も、一人じゃないから頑張れます!20年近く農業をやってきたので、無農薬でも立派な野菜を作れるようになりました。1日の温度差が大きく、1年の寒暖差も大きいので味の濃い「旨い!」野菜が穫れます。野菜を商品に作り上げる「野菜船」詰め合わせ作業は商売の最前線に位置するので、とても緊張します。

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    スイーツ班

    クッキー、ケーキ、プリン、パンを毎日焼いています。生産工程をいくつにも分け、できる部分をできる人が担当します。一枚のクッキーもたくさんの人の力ででき上っています。作業工程の細分化は多様な利用者の参加を可能とします。パティスリーアンサンブルが店舗の名前。この他に中央道SA、道の駅、地元のスーパーなど広く地域で親しまれています。会社のイベントや結婚式など記念のシールの作成もしています。

  • 生田班

    生田班は標高700mの山の中の拠点です。薪づくりが仕事の中心。体力作り・身体改造にも力を入れています。裏山には自分たちで工事した遊歩道が山肌を縫い(現在進行中)、格好の散歩とダイエットコースになっています。これまでに体重を20Kg減量した人が2名、10Kg程度は2名いて、やせて体が軽くなることが心の積極性につながっています。自然の只中で、原木の玉切りから最後の消費者への出荷までが目に見える仕事。周りにはお店もなければ、人通りもほとんどありません。気が散る対象がほぼないので、ここの利用者の半分を占める自閉症の利用者もやがて落ち着いて仕事に向かえるようになっています。最近養護学校の現場実習で生田班を希望する自閉症の生徒さんが増え、卒業後は是非生田班で働きたいとの希望も多く寄せられています。

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    もの作り班

    間伐材の有効活用に取り組んだのがヒノキの間伐材から作る畳。これは独創的な「発明」で平成26年度間伐・間伐材利用コンクール「製品づくり部門」グランプリ・林野庁長官賞を受賞。平成28年10月にはヒノキ畳(床)の特許を取得しました。世界のどこにもないものを誇りを持って作る毎日です。平成29年から中国にも輸出しています。 

  • ランチ班

    正午に美味しいランチを提供するため厨房の中はさながら戦場です。学校給食とは一味違う、家庭のごはん+レストランの味を追求しています。スチームコンベクションや食洗機、食器乾燥機、その他の便利な道具も使いながら、働く環境の快適化にも配慮しています。お腹を空かせて帰ってくる仲間のために、一生懸命働いています。ここは栄養士・調理師、そして利用者たちのワンチームです。

  • マリオ隊

    アンサンブル松川の各施設建物と車の清掃を行っています。赤い帽子に赤い上着がトレードマーク。仲間たちが気持ちよくスムーズに仕事ができるよう、一人一人が技量を上げて、より快適な環境を作りたいと思っています。