植林した山や林はそのままにしておくと密植に過ぎ、立派な木として成長することができません。長野県は森林税を徴収して、森林を保全しようと取り組んできました。しかし植林した若い木を抜き切り(=間伐)しても、利用することがなければ、ただ山の中に捨て置かれるだけです。ここを何とか活用したいと生まれたのがアンサンブルの「ひのきの畳床」です。「ひのき」をリボン状にカットしたウッドウール(木毛)を畳のサイズに積層して、縫い合わせたものが「ひのきの畳床」です。「ひのき」の性質をすべて持った理想的な畳床が誕生しました。
戦後畳床の材料が稲わらから化学畳(スタイロ畳)に転換していった最大の理由は①わら床に比べて軽い②わら床がダニの住処になるという厄介な問題の解決でした。化学畳への転換によりダニの問題は解決されましたが、今度は調湿力が無いためにカビの問題に悩まされることになりました。
アンサンブルの実験によれば「ひのきの畳床」を24時間水に浸した時、20Kgのひのき床は50Kgに重さを増し、乾燥室でもとの20Kgに戻りました。一つの言い方をすれば、1畳の畳が30Lの水を吸収し、6畳とすれば180Lつまり浴槽一つ分ほどの水を吸ってしまうということです。この吸水能力は調湿力の基本ですから「ひのきの畳床」がカビとは無縁で、居住者の健康に大きく寄与するということになります。
古くなった「スタイロ畳」は「燃やせない厄介な粗大ごみ」として廃棄時の負担が殊に大きい難物ですが、アンサンブルの「ひのきの畳床」は、畳表のイグサはもとより、一番のかさを占める畳床がひのき材ですから、やがて廃棄の時を迎えても、焼却ごみ、土に還元できる廃棄物として環境負荷を最小限にします。また素材のウッドウール(木毛)は間伐材またはB級材が原料なので、この商品の普及が森林整備の一助となり、森の再生に役立つという積極的な環境製品でもあります。
アンサンブルで作っている「ひのきの畳床」は畳の「芯」です。畳として完成するには「畳表」(イグサや和紙)と「縁(へり)」を付けてお部屋のサイズにぴったり合わせて敷き込みます。ここの仕事をするのは畳屋さんです。アンサンブルのお近くにお住まいの方は敷き込みまでアンサンブルでお受けできます。その他の地域の方にはお近くの畳屋さんをご紹介します。いずれにしましても、ご自宅に「ひのきの畳」をお考えでしたら、アンサンブルにご一報ください。